ある百貨店関係者は「実はお客さまから、中国人向けの百貨店になったらいかがですか、といったクレームが後を絶たない」と声をひそめる。
中国人客がまき散らすごみやトイレのマナーが問題視され、まゆをひそめる日本人もいまなお多い。だが、商店街側が観光・バス会社への申し入れなどを重ねたこともあり、かなり改善されているという。
「かつて日本人が豊かになる過程で海外旅行に行き、カメラを下げて大量の買い物をする様子が冷やかされたが、豊かになった中国人が日本で同じことをしているだけ。温かい目で見てほしいし、日本人客も楽しめる商店街にしたい」と同幹部。ただ、金を落としてくれる中国人客ばかりに目を向けたサービスを繰り広げることで日本人客をないがしろにしている-と受け止められれば、百貨店や商店街にとって決していい結果を生まないだろう。爆買いもいつまで続くか分からないのだ。
爆買いの中国人客を受け入れながら日本人客離れをどう防ぐのか。共存共栄に向けた商売の「知恵」が問われている。