千日前商店街振興組合の幹部は「この辺りを歩いている中国人客はそんなにお金を持っていないと思う。よく見ると、買っているのはお菓子など安い商品ばかりだ」と指摘する。
道頓堀川の日本橋はバス乗降場になっていて、中国人ら団体客の大型観光バスがひっきりなしに止まっている。確かに乗降場近辺にいる団体客は、数百円程度のチョコレート菓子やカップ麺を詰めた買い物袋を抱え、道頓堀で購入したタコ焼きをほお張る人ばかりだった。
料理店の巨大なカニの看板の前でしきりに記念撮影をしているが、入店することはなく、他店で高級なグルメを楽しんでいる様子もみられない。
そうした懐事情もあってか、支払い時に「ディスカウント・プリーズ(=おまけしてよ)」と連呼され、困惑している店も多い。戎橋筋商店街のたばこ店「青木商店」の青木淳一店長は「今年から『値引きはできません』と書いた中国語の表示を置いた」と明かす。