中国の旧正月にあたる春節(2月8日)前後の大型休暇中、大阪・ミナミの商店街は中国人観光客らであふれかえった。日本製品を大量に買い込む「爆買い」客を逃すまいと、中国人店員ばかりの店舗がオープンしたり、季節外れの福袋を用意したり、受け入れ側はあの手この手のサービスを展開した。今年もミナミを席巻した爆買い狂騒曲。だが、爆買いシフトを敷く百貨店や商店街に対して、とうとう日本人客から「外国人客優遇が過ぎる」といった批判的な声も上がり始めた。(井上浩平)
「半額」総菜に殺到
「ただいまの時間より全品2割引き。夕飯やおつまみにいかがですか」
8日午後7時すぎ、ミナミにある百貨店の地下食品売り場「デパ地下」では、総菜コーナーの店員が声をからしていた。
閉店間際のタイムセールの混雑はおなじみだが、よく見ると客の多くは重そうにキャリーバッグを引き、電化製品などの総合免税店「ラオックス」などの紙袋をいくつも提げている。
身ぶり手ぶりで量り売りの総菜を買い求める男性客に対し、女性店員は慣れた様子でアレルギー表示のボードを指差した。男性客は「知道了(チーダオラ)=分かった」とつぶやいた。