緊急に病院搬送すべき病気の見極めや、応急処置も含めて6時間。真剣な表情で講義を受けた医師らの質問は途切れず、予定時間を大幅に超過して終了した。
セミナーを主催したのは、家庭医を育成する「日本プライマリ・ケア連合学会」。眼科のほか、耳鼻咽喉科や産婦人科でもこうしたセミナーを行う。いずれも、募集と同時に定員が埋まる。同学会の雨森(あめのもり)正記・生涯学習委員長は「地方では特に、年配の人が眼科まで行くのはハードルが高い。ちょっと視力が落ちてきたとか、目やにが出るときに、眼科に行った方がいいのか、点眼薬を出せばいいのか、判断できることが大切」とする。
特に重要なのが、専門医に送るべき状態を判断すること。急ぐのか、1カ月以内でいいのかの判断も不可欠だ。「専門の医師が、初期からすべてのケースに対応するのは難しくなっている。役割を分担し、専門の医師には、より技術の必要な治療に時間と力を配分してほしい」(雨森委員長)