インフルエンザの流行する季節に、注意したいのが肺炎だ。10月から高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンが定期予防接種に加わった。ただ、対象者が限定されるため、自分が対象となるのか確認が必要だ。(油原聡子)
体力が低下
埼玉県川越市の主婦、田中裕子さん(72)は12月上旬、日本医科大学呼吸ケアクリニック(東京都千代田区)で、肺炎球菌ワクチンの予防接種を受けた。田中さんは「高齢だし、肺炎になるのは怖い。周囲にも受ける人が多かったので接種することにしました」と話す。同クリニックの木田厚瑞所長は「ワクチンを接種すると、肺炎になるリスクを下げることができる。発症しても軽症に抑えることができます」と説明する。
肺炎は、細菌などが肺に入り込んで起こる肺の炎症。原因菌は複数あるが、重症化しやすいのが肺炎球菌だ。健康な人でも主に鼻やのどの奥にいて、唾液などを通じて飛沫(ひまつ)感染し、特に免疫力の低い子供や高齢者に感染しやすい。