■かかりつけ医に眼科研修 専門医に送る見極めがカギ
6月末の土曜日、東京都渋谷区で「プライマリケア医のための眼科診療セミナー」が開かれた。参加したのは、各地の病院や診療所で働く現役医師30人。眼科が専門でない医師ばかりで、池ノ谷院長もここに参加した。
講師は、京都大学・医学教育推進センターの加藤浩晃医師(眼科専門医)。まずは、ウイルス性結膜炎や結膜下出血など病名の異なる「赤い目」のスライドを5枚示し、こう言った。
「こういう場合も、こういう場合も、患者さんはすべて『目が赤い』と言って、やって来ます」
充血や目やにの状態により、どう病気を区別するか、どう治療し、どう感染を防ぐか、どんな状態のときに眼科専門医に紹介すべきか、加藤医師は具体的に説明した。
その後は、眼球の奥をのぞく「眼底鏡」の使い方や眼圧の測り方の実習。眼底鏡を持ち、2人1組になってお互いの目をのぞいていた医師の間から、「見えた!」「映った!」と声が上がった。