だが、あまりによく聞かれるので、具合が悪いのに眼科にかかっていない人が多いのではないかと、戸別訪問でアンケートを行った。質問は、目に何らかの自覚症状があるか▽その問題で眼科を受診したか▽受診していない場合は、その理由▽車の運転ができるか-など。
53人(平均年齢65・5歳)から得た回答によると、目に何らかの症状がある人は75%。だが、症状がある人の60%は眼科を受診していなかった。理由には(1)症状が軽い(46%)(2)遠方、通えない(38%)-などが挙がり、「通えない」人の大半は車の運転ができなかった。
池ノ谷院長は「厳密な調査ではないが、移動手段がなく受診していない人は、この地区だけでも推計で100人はいると思う」と言う。しかも「症状が軽い」と思って受診していない人が緑内障や白内障の可能性もある。
眼科の巡回診療を求めて署名活動もしたが、すぐには難しそうだ。「自分で簡単な眼科診療をして、必要なら専門医に送るのが一番効率がいいかもしれない」と思っている。