店舗での対面サポート対応は、大手キャリアにも共通する部分だが、その大手キャリアとは価格面で差をつける。そして他のMVNOとは店舗の存在で違いを見せつける格好だ。
ただ寺尾氏は、それでも価格だけでは大手にやがてキャッチアップされ、競争に生き残れないと指摘する。
ライバルとしては意識しないが、FREETELや楽天といった企業はこれまでにないアイデアを提案してきて勉強になる、と語る同氏は「同じところにとどまっていると、必ず大手が進出してくる。他社を意識するよりも、常に新しいネタを探している。24時間365日ずっとそのことばかり。今年の正月の初夢は何か新しいものができた! というものでしたよ。夢だから何もないんだけど」と笑う。
これはDDIポケット、ウィルコムと長くモバイル市場に関わってきた同氏だからこその視点。15年の暮れにかけて総務省で議論され、その後、実質0円廃止の提言などにつながったタスクフォースの影響についても「楽しんでますよ」と力強い。
寺尾氏「結局、知恵を使えということ。たまたま僕らは今、安いポジションにいるけど、(多額のキャッシュバックなど)お金はとても強力だから僕らの思考が止まっていたのではないか。むしろガッチガチに縛られて、いろんな制約があった方が人は考える。新しいビジネスを作るチャンスをいただけたのだと前向きに捉えている」