地道に仕組み作り
料金プランで訴求する一方、ワイモバイルが地道に仕組み作りを整えてきたのがヤフーのサービスとの連携だ。
寺尾氏「2年前、ヤフーと一緒にやっていく方針としたが、実際に始めてみると意外と大変だった。ログイン一つとっても難しい。手順など、分かっている人にとっては簡単だが、そうではない方にとってはちょっとでも分からないことがあれば先に進んでいただけない。この2年、連携の仕掛けをブラッシュアップし続けてきた」
そのかいあって、現在、ワイモバイルのスマートフォンユーザーのうち、今や8割がヤフーIDでログイン。さらにそこで生きてくるのが、ヤフーショッピング。ヤフーでは13年10月に出店料などを無料化しており、ヤフーショッピングは店舗数や販売アイテム数が増加。手数料の関係で、他よりも安価な価格になることもあると寺尾氏は説明しており、価格でワイモバイルを知ったユーザーにショッピングまで体験してもらえれば、という狙いがあるという。
14年の新プラン提供以降、同社のスマートフォンユーザーのうち約半数は「ワイモバイルが初めてのスマートフォン」だった。価格をきっかけに初めてスマートフォンに触れつつ、ヤフーのサービスも活用するようになれば、さらに次のステージを目指せるというのが寺尾氏の描く未来の一つだ。
さまざまな料金プランでにぎわいを見せる仮想移動体通信事業者(MVNO)市場では、最近、イオンや楽天が積極的に展開している。そうした事業者が存在するなか、ワイモバイルの強みの一つは全国に1000店舗あるワイモバイルショップになると寺尾氏。