「イクジイ」という言葉が使われはじめ、祖父母による「孫育て」への関心が高まる中、シニア向けの孫育て講座や自治体による支援が広がりつつある。安心して子育てができる環境づくりや世代間の交流を促進し、地域の活性化につなげようという狙いもあるようだ。(平沢裕子)
変わる環境
「一人っ子同士の結婚で生まれた子供には、いとこやおじさん、おばさん、めいっ子、おいっ子がいない。ご近所のつながりも昔に比べると希薄です。そんな中で、子供たちが育っているんだということを、まず理解してください」
11月2日、千葉市で開催された孫育て講座。講師を務めるNPO法人「孫育て・ニッポン」の棒田明子理事長が最近の子育て事情を説明すると、受講者十数人が大きくうなずいた。
同講座は、千葉市社会福祉協議会稲毛区事務所が企画した「シニアのゆるやか地域デビュー体験講座」の一コマ。シニア世代に地域の子育てアドバイザーとしての役割を担ってもらおうと今年から始めたものだ。同事務所の勝山圭子主任主事は「今のシニア世代はすごく元気。自分の孫だけでなく、地域の子育てに積極的にかかわってもらえれば」と期待を込める。