排ガスの窒素酸化物浄化装置そのものがない
このニュースが流れたとき、同じくディーゼルエンジン車を生産販売している国産輸入を問わず自動車メーカーには、ユーザーからの問い合わせが殺到、ひとりVW製乗用車だけでなくクリーンディーゼル乗用車の人気も一時的に低落した。国内のメーカーの中で、ディーゼルエンジン車の販売台数が最も多いマツダもその例外ではなかった。
それでも、マツダはあわてなかった。
その理由は次のように、きわめて単純でわかりやすいものだったからだ。マツダが乗用車に搭載しているディーゼルエンジンには、VWの不正の対象となった排気ガスの窒素酸化物浄化装置そのものが、付いていないのだ。
したがって、付いてもいないものに“不正”を施す可能性など皆無。一般のディーゼルエンジンに装着されているはずの窒素酸化物浄化装置がない、これがマツダのクリーンディーゼルエンジン最大の特長・武器であり、消費者に対しても「マツダのクリーンディーゼル乗用車に不正の余地はない」という安心感を醸成できたのだ。