NTT東日本は、公衆無線LAN「Wi-Fi(ワイファイ)」対応の缶飲料自動販売機で、太陽光パネルを装備した新機種を開発、東京都内で実証実験を始めた。日中であれば太陽光だけで、ネット接続用の通信機器に必要な電力を確保できるのが特徴だ。自販機運営を請け負う八洋(東京都新宿区)と共同で実験を進め、地方自治体などに売り込む。
新型自販機には、通信機器への電力供給用に縦55センチ、横60センチの小型太陽光パネルと蓄電池を搭載した。蓄電池からも電力を供給でき、地震などの災害時には3日間の稼働が可能だ。
NTT東は、NTT環境エネルギー研究所(神奈川県厚木市)と連携し、災害発生時でも常に安定した電力が供給できるよう複数電源を自動選択する機能を開発。日照状況や時間に応じて太陽光、商用電源、蓄電池の3種類から最適な電源を自動で選ぶ回路基板を作り、自販機に組み込んだ。
新型自販機は今年1月、東京・銀座のNTTビルの敷地内に実験用として1台設置。4月から2台目を同・池袋の民間駐車場で稼働させた。年内いっぱいかけて稼働状況を検証し、来年以降の本格営業につなげる。