NTTがブロードバンド(高速大容量)通信の代名詞だった光サービスのブランド重視主義を転換し、他社への卸売りに軸足を移す方針を13日に表明した。「光コラボレーション」を掲げて今秋にも光回線を開放する方針だが、業界内では「一般ユーザーの利用料金は現在より100円安くなる程度ではないか」との観測も浮上している。卸売価格の設定次第では新規参入が阻まれるだけでなく、NTTグループが狙う機能再編による顧客基盤強化が進むことで、体力に劣る中小の通信関連サービス会社が淘汰(とうた)されるとの懸念も広がっている。
加入数拡大に限界
「黒子に徹しろ」。NTTの鵜浦博夫社長は、NTT東日本の経営陣に光サービス「フレッツ光」の個人向け販売拡大に見切りを付けるよう迫った。これを受け、今年に入ってNTT持ち株会社とNTT東西地域会社が卸売りの検討を本格的に始め、鵜浦氏も自ら総務省の幹部に会って打診。「問題はない」との感触を得たとみられる。