もっとも「世界一のロボット利活用社会」の実現を掲げる政府は、このペッパーの人気ぶりを手放しで喜んではいない。普及が進めば進むほどペッパーを改造して利用されるケースが増え、思わぬ事故が発生しかねないからだ。
「極端にいえば、障害物に当たっても停止する機能がないまま、公道でペッパーを時速10キロくらいで動かしたらどうなるかということだ。新しい技術の普及スピードに対応した社会づくりをしなくてはいけない」と政府関係者は説明する。ペッパーは開発者向けのモデルも展開しており、関連のイベントでは独自に改造されたペッパーが展示されることもあるという。
小型無人機「ドローン」の事故の多発も、自律移動型ロボットのルール整備を政府に急がせる要因となったようだ。それだけでなく「ペッパーは、まだかわいい方かもしれない。世界ではとんでもないロボットが開発されている」と、政府関係者は指摘する。そのロボットは乗り物などに変形する「トランスフォーマー」だという。