同じ電話番号のまま携帯電話事業者の契約先を変更する番号持ち運び(MNP)制度を利用した転入出数で、6月にNTTドコモが6年5カ月ぶりに転入超過となったことが9日、分かった。定額通話・データ通信の料金プランが支持されるとともに仮想移動体通信事業者(MVNO)経由の利用者が増えたためで、新規契約から解約を引いた純増数も好調だった。一方、ソフトバンクは8年3カ月ぶりにMNPが転出超過となり、携帯電話大手の勢力図に変化の兆しが見えてきた。
ドコモは1~3月のMNPは14万7000件の転出だったが、4~6月は3万件強の転出に改善。公表していないものの、6月単月では2000件程度の転入超過になった。純増数も順調に伸び、4~6月は90万件程度と前年同期の約2倍に増えた。
2015年3月期の純増数は、携帯端末や料金プランで優位性の薄れたソフトバンクは184万1000件(14年3月期は344万5000件)で、349万件(同156万9000件)だったドコモと形勢が逆転した格好だ。