ソフトバンクは07年4月から今年5月までMNPで転入超過を続けてきたとみられるが、6月は息切れした格好で転出超過となった。KDDIも数千件の転入超過となり、ソフトバンクの独り負けだった。
MNP制度は携帯電話各社の競争促進を目的に06年10月に導入された。ドコモは08年12月と09年1月を除くと転出超過ばかりが続き、KDDIやソフトバンクへの顧客流出が止まらなかった。特にソフトバンクが08年に米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の国内販売で先行したことから、ドコモからの顧客転出が加速した。
国内携帯電話市場の成長が頭打ちとなる中、大手3社は高額な販売報奨金やキャッシュバックなどの販促策をいずれも抑制している。ソフトバンクの孫正義社長は「数は追わない」と明言し顧客争奪戦に距離を置く。