米マイクロソフト(MS)が、日本を含む世界190カ国で、7月29日から基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」の提供を開始する。3年ぶりの新OSは注目を集めているが、今回はパッケージ販売が当面なく、派手なイベントや行列はない見通し。パソコン(PC)メーカー各社にも、かつてのように新ウィンドウズを市場活性化の起爆剤と期待する見方は少なく、関連業界は“肩透かし”を食らいそうだ。
ウィンドウズ10は、2012年10月にウィンドウズ8を発売して以来の全面的なバージョンアップとなる。
ウィンドウズ7まで多くのユーザーが親しみ、8で表面上消えたことで騒動となった「スタート」メニューを復活。高速起動やバッテリー持続の長時間化といった性能面を大幅に向上させた。生体認証を利用したアクセスを可能にするほか、ウイルスなどマルウエア(不正なソフトウエア)から保護する「ウィンドウズディフェンダー」などを提供し、高いセキュリティー環境を実現。10を搭載したデバイスを利用していれば、その期間中は、常にセキュリティーアップデートが無料で提供される。
MSのテリー・マイヤーソン副社長は、「ウィンドウズ10は、ユーザーが素晴らしいさまざまなことを実現できるように設計された新世代のOSになる」と自信を見せる。