NTT民営化は成功だったのか… 経営トップ3名に通信自由化を聞く (1/5ページ)

2015.4.30 06:34

鵜浦博夫・NTT社長

鵜浦博夫・NTT社長【拡大】

  • 小野寺正KDDI会長
  • 鈴木幸一IIJ会長

【通信大競争 30年攻防の行方】(9)

 NTT民営化後の30年でわが国のICT(情報通信技術)市場は大きく発展し、世界に類を見ない光ファイバー網やモバイルブロードバンド(高速大容量)など先進的な通信環境を実現した。しかし、ICTの利活用では立ち遅れが目立ち、サービスや製品開発力の国際競争力は危機的状況ともいえる。連載では、通信自由化後に競争を導入し、事業を立ち上げた当事者の取材を通じて苦闘や課題を探ってきた。民営化されたNTT、巨大企業に成長したKDDI、インターネット事業に先鞭(せんべん)をつけたインターネットイニシアティブ(IIJ)の経営トップにそれぞれの通信自由化を聞いた。

 □鵜浦博夫・NTT社長

 ■市場の変化に対応できた

 --NTT分社以来、最大の機能再編となる光サービス卸が曲折の末にスタートした

 「10年以上、NTTも総務省も光回線が通信サービスのメーンという発想だった。一言でいうと、メーンプレーヤーが光回線を使うお手伝いに徹するということだ。産業界に化学反応を起こす触媒役を担う」

 --規制会社から規制の緩い会社への事業シフトになる

 「NTT東西地域会社は規制でモバイル事業がやれない。NTTドコモの競争力が低下するなかで、ドコモだけ固定・携帯の一体サービスができないのはおかしい。光サービス卸によってドコモのシームレス(つなぎ目のない)サービスに道を開いた」

Q.民営化30年をどうみてきたのか

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