ディー・エヌ・エー(DeNA)と資本業務提携し、これまで否定的だったスマートフォン向けゲームの開発を17日発表した任天堂。平成27年3月期連結決算で4年ぶりの営業黒字を見込み、復活の兆しが出るなか攻めに転じたともいえる。ただ、携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」など既存のゲーム専用機の顧客を奪われかねず、“もろ刃の剣”になりそうだ。
任天堂の岩田聡社長はこれまで、スマホ向けに「マリオ」などの自社ゲームを出すと、「キャラクターの価値を下げる」として否定的な見解を示していた。
それでもスマホ向け開発を決めたのは、専用機の低迷がある。任天堂は販促費を抑えるなどして収益を改善したものの、特に主力の据え置き型ゲーム機「WiiU(ウィー・ユー)」の販売が伸び悩んでいる。
スマホ向けゲームは新興メーカー、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ」が3千万ダウンロードを超えるヒットで高収益を出すなど、「当たれば大きい」市場。任天堂はここにマリオなど人気ソフトを投入し起死回生を図る。