NTT民営化は成功だったのか… 経営トップ3名に通信自由化を聞く (5/5ページ)

2015.4.30 06:34

鵜浦博夫・NTT社長

鵜浦博夫・NTT社長【拡大】

  • 小野寺正KDDI会長
  • 鈴木幸一IIJ会長

 --1992年にインターネットイニシアティブ(IIJ)を設立したが、郵政省(現総務省)との折衝に苦労した

 「村井純さん(慶大環境情報学部教授)から『資金はあるから』と誘われたけれど、一銭もなくて、結局、私財まで投じるはめになった。当時は文部省や科学技術庁(現文部科学省)が国家予算で研究ネットワークを構築していた関係で学者がインターネットを毛嫌いして、それが郵政省の判断にも影響を及ぼしたのかもしれない。郵政省からは『3年間無収入でも倒産しない資金力』という内規があると言われて、そんな金はないから困った」

 --国を相手にけんかしてまで日本初のインターネット事業にこだわった

 「私が一番貧乏くじを引いたが、なんとしても成功させたかった。でも、自己破産しそうになって、当時の郵政省官房長官に直談判した。行政訴訟を口にしたのが効いたかもしれない。幅広い企業に1500万円ずつ出資してもらう条件でようやく認めてもらった」

 --“打倒NTT”と言ってきたが、CWCが倒産して最終的にはNTTの出資を受けて経営再建した

 「電話からインターネットへ、という思いから『打倒NTT』だった。NTTが経営に口を挟むことはないし、財務的にはほとんど無借金に近い。ネットワーク関連に投資しており、今後は基幹網を100ギガビットに大容量化したり、放送を取り込みたい」=おわり(この連載は芳賀由明が担当しました)

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