NTT民営化は成功だったのか… 経営トップ3名に通信自由化を聞く (2/5ページ)

2015.4.30 06:34

鵜浦博夫・NTT社長

鵜浦博夫・NTT社長【拡大】

  • 小野寺正KDDI会長
  • 鈴木幸一IIJ会長

 --触媒役のNTTのうまみは

 「法人向け事業にシフトするNTT東西は“BツーBツーX”のビジネスになるが、Xは行政や地場産業や観光などさまざまだ。新しいサービスが生まれればクラウドなどのビジネスモデルで稼げる」

 --「新しいサービス」は容易に生まれるのか

 「ICT分野の新サービスは既存のエコシステム(市場構造)では難しい。岩盤のようなエコシステムがある日本では、コラボレーション(協業)しかない。破壊ではなく、うまく塗り替えるような。米国式でない共存型ビジネスモデルは、アジアなど新興国でその国の多様なエコシステムに対応できる。東京五輪や政府の地方創生政策はいい機会になる」

 --東京五輪では通信環境の整備やセキュリティーが大きな課題だ

 「競技会場や鉄道などで通信環境の標準化が必要だ。ゴールドパートナーとして約20カ所の競技会場で通信設備を構築する権利があるため、仲間作りをして統一した環境を整える。セキュリティーでもコラボしないと脆弱(ぜいじゃく)な部分から破られる。日本式の共存型ビジネスモデルを作る契機にしないといけない」

 --民営化30年をどうみてきたのか

 「局面、局面で苦労はしたが、5兆円の売り上げが市場全体の半分の11兆円に増えたのだから、民営化は成功といえる。市場の大きな変化にかなり対応できているのではないか」

「当時の電電公社内は真藤恒総裁以外、民営化には反対だった」(小野寺KDDI会長)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。