サムスン電子の最新スマートフォン「ギャラクシーS6」シリーズは、革新的なデザインが評価される一方で、販売する携帯電話会社からは「(米グーグルのOS『アンドロイド』を搭載した)数ある端末の一つにすぎない」との本音も聞こえる。日本でのシェア奪還に意気込むサムスンとの“温度差”は否めない。
かつて、サムスンが日本で高いシェアを誇った背景には、NTTドコモが携帯電話販売の重点をサムスンとソニーの2社に置く「ツートップ戦略」の後押しがあった。
だが、ドコモは平成25年秋にアイフォーンの販売を開始。携帯大手3社がアイフォーンの販売に集中し、結果的にアップルがシェアを拡大した。
ギャラクシーS6シリーズは、ドコモとauで初めてデータ通信速度が毎秒225メガビットの新規格「LTEアドバンスト」に対応した端末となる。それでも、アイフォーンの新機種発売時に行ったような「下取りサービス」の予定はない。
MM総研の横田英明取締役は「日本のスマホ市場は、今やアップルを中心に回っている」というだけに、風穴を開けられるかどうかは未知数だ。(山沢義徳)