NTT民営化は成功だったのか… 経営トップ3名に通信自由化を聞く (4/5ページ)

2015.4.30 06:34

鵜浦博夫・NTT社長

鵜浦博夫・NTT社長【拡大】

  • 小野寺正KDDI会長
  • 鈴木幸一IIJ会長

 --NTTの持ち株会社体制は競争環境に合わなくなった

 「NTT分社時に東西地域会社間の競争が導入されたが実効はなかった。持ち株会社がNTT東とNTT西の株をある程度売却して他の通信事業者との提携や合併を促す“触媒”になるべきだった。KDDIはNTT東との合併の可能性を考えていた。携帯電話事業者のNTTドコモが販売目標を設定してまで『ドコモ光』を売るのは、株主にとっては利益相反だ。親子上場のガバナンス(統治)上、大きな問題といえる」

 □ネットワーク基幹網大容量化

 ■鈴木幸一IIJ会長

 --通信自由化後、日本でインターネット事業を始めた

 「行政は『カネのないやつが通信事業をやるとは何事か』と考えていた。日本では(大資本の)通信事業者がつぶれたことはなかった。私はクロスウェイブコミュニケーションズ(CWC)をつぶしてしまったが、第一種通信事業者初の倒産だった」

 --自由化後の新規参入事業者をどうみていたのか

 「自由化はいいが、同じサービスでどんな競争ができるのかと思っていた。違う技術で競争するなら面白いが、同じ電話サービスしかできないなら競争にならない。巨大なNTTとどう勝負するつもりなのかわからなかった」

「電話からインターネットへ、という思いから『打倒NTT』だった」

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