--NTTの持ち株会社体制は競争環境に合わなくなった
「NTT分社時に東西地域会社間の競争が導入されたが実効はなかった。持ち株会社がNTT東とNTT西の株をある程度売却して他の通信事業者との提携や合併を促す“触媒”になるべきだった。KDDIはNTT東との合併の可能性を考えていた。携帯電話事業者のNTTドコモが販売目標を設定してまで『ドコモ光』を売るのは、株主にとっては利益相反だ。親子上場のガバナンス(統治)上、大きな問題といえる」
□ネットワーク基幹網大容量化
■鈴木幸一IIJ会長
--通信自由化後、日本でインターネット事業を始めた
「行政は『カネのないやつが通信事業をやるとは何事か』と考えていた。日本では(大資本の)通信事業者がつぶれたことはなかった。私はクロスウェイブコミュニケーションズ(CWC)をつぶしてしまったが、第一種通信事業者初の倒産だった」
--自由化後の新規参入事業者をどうみていたのか
「自由化はいいが、同じサービスでどんな競争ができるのかと思っていた。違う技術で競争するなら面白いが、同じ電話サービスしかできないなら競争にならない。巨大なNTTとどう勝負するつもりなのかわからなかった」