ただ、現時点ではMSの戦略は必ずしも明確ではない。同社は18年までに全世界で10億台のウィンドウズ10搭載デバイスを出荷するというが、これは年間3億台強を出荷しているウィンドウズデバイスにとって巡航速度で到達する数字。既存のウィンドウズPCの無料アップグレードだけでもほぼ達成可能とみられる。1年間に15億台規模のデバイスを出荷するアンドロイドとは比べるまでもなく、圧倒的に少ない目標だ。
もちろん目標数値を変える可能性はあるが、現時点で掲げているこうした数字を見ると、MS自身もウィンドウズ10には、大きな伸びを期待していないのではないかとさえ受け取られかねない。
特にMSと一体となって日本のPC市場を形成してきたメーカー各社は、いかに商機を見いだすか、すでに7月29日後のMSの動向に関心が移っている。(大河原克行)