大企業のような研究・開発拠点を用意しなくても、モノ作りを進められる時代がやって来た。ネット関連企業のDMM.com(東京都渋谷区)が、東京・秋葉原に2014年末オープンしたDMM.make AKIBAは、3フロア、延べ床面積約2000平方メートルの施設内に、3Dプリンターや各種の工作機械を置いて、ベンチャー企業が革新的な製品を生み出す拠点として利用してもらおうとしている。
3月下旬に東京・日本橋で開催された映画祭、東京アニメアワードフェスティバル2015で、アニメーション監督の原恵一氏にアニメドールと呼ばれる賞のトロフィーが手渡された。橋の擬宝珠(ぎぼし)をかたどった円筒に透明な球が乗り、両サイドに羽根が伸びたデザインのトロフィーを、知らない人が見れば熟練の職人の手で削り出されたものだと思っただろう。
実はこのトロフィー、DMM.make AKIBAにある機材で制作された。「機動戦士ガンダム」で知られるメカニックデザイナーの大河原邦男氏が描いたデザイン画から、プロダクトデザイナーの吉田晃永氏が3Dデザインを作成。これを元に3Dプリンターなどを使ってパーツを作り、組み合わせて完成させた。