スマートフォン市場は米アップルと韓国サムスン電子の「2強」に加え、中国メーカーの台頭もあり競争が激化するばかりだ。日本勢は苦戦が際立ち、ソニーがスマホ事業で2千億円超の赤字を計上する見込みで、パナソニックは個人向けから撤退した。そんななか、海外展開を加速させて気を吐くのが京セラだ。
国内シェアで5%程度にとどまる京セラのスマホはむしろ海外で人気が高い。それを支えているのが「頑丈」という独自性だ。
京セラの「トルク」はぶつけたり、落としたりした衝撃に強いだけでなく、灼熱、極寒などの過酷な環境下での使用を想定し、マイナス30度から60度までの温度変化にも耐えられるという。高い防水・防塵性能を備え、米国防総省の調達基準を満たしている。
一昨年2月に北米市場に投入すると、頑丈さを求めていた層から人気を集め、昨年には中南米で発売。今年はドイツやフランスなど欧州市場で発売した。トルクの好調を受け、京セラはスマホなど通信機器関連事業の平成28年度の売上高を27年度予想比10%増の2250億円を目指す。