携帯大手より低料金でスマートフォンを利用できる「格安SIM」の販売競争が過熱してきた。総務省が5月、契約先の回線しか使えないように端末の機能を制限する「SIMロック」の解除を携帯各社に義務付け、ユーザーの認知度が急上昇。大手の回線を借りてサービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)各社は、乗り換えを促す好機とみてMNP(番号持ち運び制度)に即日対応できる店舗販売の強化に躍起だ。
「直近3カ月の契約数は昨年の3倍増」。格安SIM「OCNモバイルワン」でシェア首位のNTTコミュニケーションズの営業担当者は笑いが止まらない。勢いに乗りMNPに最短30分で対応する販売カウンターを今年度中に全国30の家電量販店などに展開することを決めた。
その一つが、5月14日に専門コーナーを開設したヨドバシカメラマルチメディアAkiba(東京都千代田区)。NTTコムなど8社の格安SIMと、国内外メーカーのSIMフリースマホがずらりと並ぶ。
スマホへの乗り換えを相談しに来た女性客(69)は「孫と(スマホ用対話アプリ)LINE(ライン)をしたいが、端末や料金は安くしたい」と語る。