サムスン電子にとっては、まさかのとばっちりだ。韓国の最高情報機関、国家情報院がスマートフォンや会員制交流サイト(SNS)の情報セキュリティーをかいくぐるプログラム開発をイタリアのIT企業に促していた疑惑が浮上。韓国メディアによると、そのターゲットのスマホがサムスン製の旗艦機種「ギャラクシー」だった可能性があるという。国家機関による監視を訝る声は強まっており、スマホの信用さえ、傷つけかねない事態だ。
録音できるのか…生々しいやりとり
7月18日には、国家情報院の職員が乗用車内で練炭自殺とみられる遺体で発見される事態にまで及んだハッキング疑惑。発端は、伊IT企業「ハッキング・チーム」のコンピューターがサイバー攻撃を受けて情報が盗まれたうえ、7月上旬に内部告発サイト「ウィキリークス」で内部資料が公開されたことに始まる。この資料の中で、国家情報院が同社からハッキングプログラムを購入していたことが暴露されてしまった。
資料を分析した韓国左派系新聞、ハンギョレ(日本語電子版)によると、国家情報院は「陸軍5163部隊」という偽名組織でハッキングプログラムを買っていた。