8日の上海株が急落するなど中国景気の減速懸念が強まるなか、訪日中国人観光客の「爆買い」に沸く百貨店や旅行など関連業界に動揺が走っている。国内需要の低迷を、爆買いがカバーしているためで、関連各社は今後の上海株の値動きに気をもんでいる。
高島屋では今年3月以降、外国人向け売上高が前年同月比3~4倍と飛躍的な伸びを続けている。販売を押し上げているのが中国人の爆買いだ。日本人の平均賃金が伸び悩むなか、「消費を下支えしており、中国経済の変調が長期化すれば、中国人客の来店頻度が落ちて業績に影響が出る可能性もある」と警戒する。
爆買いは、スーパーやコンビニエンスストアの売り上げ増にも寄与しており、イオンの若生信弥執行役は8日の決算会見で、「中国の株価下落は大変警戒している」と強い懸念を示した。