冬虫夏草“当たり年”依然最上級は品薄

2015.7.9 05:00

中国チベット自治区のラサの街頭ではタオルで覆ってみえなくした中で冬虫夏草の取引が行われていた。チベット高原では5月中旬から6月末が採取のピークだという(中国新聞社)

中国チベット自治区のラサの街頭ではタオルで覆ってみえなくした中で冬虫夏草の取引が行われていた。チベット高原では5月中旬から6月末が採取のピークだという(中国新聞社)【拡大】

  • ラサの街頭でかごの上で乾かされる冬虫夏草。今年は生産量が多く、価格は下がっているという(中国新聞社)

 中薬の薬材として珍重される冬虫夏草の主な生産地として知られる青海省の業界関係者によると、今年の冬虫夏草の生産量は例年に比べて増えており、価格は下落しているという。中国国営新華社通信が伝えた。

 同省玉樹チベット族自治州やゴロクチベット族自治州の採取者や仲買人は、口々に「今年は冬虫夏草の量が多く、俗に言う“当たり年”だ」という。

 青海省農牧庁草原監理ステーションの蔡佩雲ステーション長は「収穫期の2週間ほど前に大雪が2回連続で降ったことが土の中の冬虫夏草の成長を大きく促す結果になった」と分析する。

 同省にある製薬会社の董事長、韓福明氏は「中級レベルの冬虫夏草だと昨年は1キロ当たり12万元(約236万円)前後で取引されていたが、今年は10万元程度に下がっており、品質が下がると価格の下落幅も大きくなる」と説明した。

 一方で、青海省冬虫夏草協会の趙錦文秘書長は「価格は全体的に下落傾向にあるが、最上級の冬虫夏草は全く影響を受けておらず、依然として需要に供給が追いつかない状態だ」と語った。(上海支局)

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