道頓堀で聞いたイタリアや米国の女性の「焼けたほうが健康的」という意見と一致する。日本もバブル時代までは、そうだった。
しかし、「今はシミがたくさんできて後悔している」と打ち明ける。「若い頃も、中には肌を白くしようとする女性はいました。そんな人は今シミがない。『負け組』と『勝ち組』ができています」。この女性は10年ほど前から日傘を持つようになったという。
UV加工された日傘が日本の若い世代に支持
日傘をさす習慣は日本だけなのだろうか。
洋傘・日傘メーカー大手の「ムーンバット」(本社・京都市下京区)で、長年にわたり製品を開発してきた大原孝二さん(70)は「日傘文化は日本しかない」と指摘する。「ヨーロッパでは紫外線を遮ることにそれほど関心がない。また紫外線が強いオーストラリアでは帽子が主体。中国や東南アジアでは、日傘という概念自体がなく、日差しが強いときは、雨傘を日傘として使うことがある」という。
確かに道頓堀の街頭で外国人に質問すると、日傘とは何かすぐにはわからないケースもあった。ただし中国の大都市では最近、日傘が販売されるようになったという。