小学2年の7歳の男児が北海道の山中で置き去りにされ、6日後に無事保護されたニュースについて、日本の識者のコメントを引用する形で「父母が子供を道路に置き去りにするのは日本独特の懲罰だ」と報じたのは中国メディアだった。その理由に日本の治安の良さをあげて「誘拐の心配もない」などと説明したのだが、この騒動から1カ月もたっていない6月19日、中国人の団体観光客がタイの有名リゾートで「置き去り」にされるという“事件”が起きた。置き去りは「日本独特の懲罰」ではなかったようだ。
消えたガイド
北海道で起きた置き去り騒動は、中国だけでなく欧米の主要メディアでも大きく取り上げられ、親の行為が「躾(しつけ)」か「虐待」か、との議論も巻き起こした。
そうした一連の報道がすでに収束していた6月20日、中国情報サイトのレコードチャイナなどが、中国メディアの中国僑網が報じた中国人団体客の置き去り事件について伝えた。
それらによると、「置き去り事件」が起きたのは19日。タイの有名観光地パタヤでのできごとだった。4日間の日程でバンコク、パタヤを訪れるツアーに申し込んだ中国人観光客の団体38人は、18日夜に宿泊予定だったパタヤのホテルに到着。ここで、現地のツアーガイドが「ホテルと旅行会社の間でトラブルになっている」と団体客に告げ、その場を離れたという。