急速な中国の経済減速を受け、これまで中国に過度に依存してきた韓国が、好調なベトナムに貿易相手先を移す“シフト”を強めている。韓国経済を従来支えてきた中国経済への高依存度が、ここにきて裏目となった格好で、韓国の経営者などを対象にしたアンケートでは、経済危機まで「残り10分」とたとえる悲観的な見方も急増。中国との“共倒れ”を避けたい韓国が、一斉にベトナムになびいている。
中国に翻弄される韓国
「韓国では2000年代にグローバル化が加速する過程で中国が最大の輸出相手国になり、中国経済の影響を受けやすくなった」
シンクタンク「日本総研」調査部の上席主任研究員、向山英彦氏は韓国経済の動向に注目する。
韓国では、中国経済の高成長が続いていた時期にはプラスの効果を受けたが、近年は反対に“チャイナショック”を受けているというのだ。
その言葉通り、韓国銀行の調査によると、韓国の貿易に占める主要国の割合は、輸出では中国が2000年の10・7%から15年には26・0%に、輸入も中国が00年の8・0%から15年には20・7%に、それぞれ急増している。