中国の繊維産業は生産量で世界の半分を超えるものの、構造的問題による生産能力過剰やイノベーションを起こす人材の不足、厳しい資金繰りなどが成長の足かせとなっている。「繊維大国」の中国が「繊維強国」への転身を実現するにはどうすればいいのだろうか。中国国営新華社通信が伝えた。
輸出は減少傾向
第12次5カ年計画(2011~15年)期間中、中国の繊維産業は大きく成長、技術は進歩し、構造調整を進めた。品質、ブランド力ともに向上し、国際市場に進出したブランドもある。
中国紡績工業連合会の高勇副会長は「繊維製品は(衣料品や日用品に加え)人々の生活のあらゆる分野に深く入り込んでいる」と説明する。
例えば庶民の関心が高い、空気や水、油などを濾過(ろか)するフィルターも繊維製品だ。自動車や航空機、列車の軽量化にも炭素繊維複合材料が使われている。さらには人体に移植する人工血管や人工臓器までも繊維で作られる。