この問題が冷静に議論されないのは、個々の介護メニューである「ケアプラン」への不信があるからだ。前回報酬改定に際し、厚労省が限度額を超えたケアプランを調べたところ、ヘルパー利用に偏った単調なプランが多く、中でも家事援助の利用が多かった。「ヘルパーを家政婦代わりに使っているのではないか」との批判は根強い。一方で、認知症の日中独居の人が「家事援助」の名目で見守りを利用している可能性も否定できない。
来年度の報酬改定に向けて、やや事情が違うのは、厚労省が在宅看取(みと)りの切り札として導入した「定期巡回・随時対応サービス」が広がらないことがある。コールの回数によらず定額報酬だが、支給限度額すれすれに収めたため、利用者は他のサービスと併用しにくい。かといって、報酬を下げれば、事業所の参入が見込めない。