介護保険では平成24年度に、看護師やヘルパーが利用者のSOSに24時間態勢で応える「定期巡回・随時対応サービス」が新設された。コールの回数にかかわらず定額のサービスだが、山本さんの場合、通所介護や福祉用具と併用すると限度額を超す。1人でトイレに行けなくなったら選択肢の一つだが、要介護度が上がった時点で限度額に収まるかどうか微妙なところだ。
安田さんの事業所ではこの春、限度額の9割を超えてサービスを利用する人が22人いた。全体の15%。いわば限度額を気にしながらサービスを使う人だ。16人が認知症。12人が独居か、昼間は1人の「日中独居」。両方の要素がある人は9人だった。安田さんは「実際には、限度額を超える人には裕福な人が多いが、限度額を超えそうになる人には認知症や独居、日中独居が目立つ。今の介護保険は、こうした人を支えられていない。単身や認知症の人だけでも限度額の上乗せがあるといい」と話している。