日本企業、アジア進出に知恵絞る 「人材現地化」が鍵 (4/4ページ)

2013.12.18 06:00

 同社はこれを取り払うため、4年かけて中国人管理職を積極的に育成した。仕事の目標を明確に示し、毎日の朝会で取り組みや結果を報告し合うことで士気を高めた。チームワークを醸成させるため、日本的な運動会や社員旅行も始めた。

 こうした努力が報われ、1人当たりの売上高が5割増加し、現地社員の定着率も上昇した。現在は7拠点のうち、上海以外のトップは全て中国人だ。リクルート中国法人の舘康人社長は「本社の制度や価値観を押しつけず、(本社と)何を変えて何を変えないかの考察とぶれない実行が重要」と話す。

 働く意欲引き出す

 経済産業省が日本企業に海外拠点での現地人材の活用方針を聞いたところ、管理職や経営幹部への登用に積極的な企業ほど業績が良い傾向があった。現地社員のアイデアを採用したり、管理職へ登用するといった経営姿勢は現地社員の意欲を向上させ仕事の成果に直結している。

 日本企業はもともと、人件費を抑えるための生産拠点としてアジアに進出してきたが、これからは市場としての重要性も増す。現地の文化・慣習に精通した現地人材の積極活用と経営層への登用が不可欠になっていくのは明白だ。それには人材の現地化と日本型経営のバランスが鍵を握る。(滝川麻衣子)

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