ケネディ駐日米大使は6日、東京都品川区の楽天本社を訪ね、建物の1階で三木谷浩史社長の出迎えを受けた。プロ野球チーム楽天イーグルスの日本一を祝う花鉢が飾られているのを見て「優勝おめでとう」と同社長と握手した。
ケネディ大使が着任後、単独で日本企業を公式訪問するのは初。英語の社内公用語化など国際展開に積極的な企業を見たいという大使館側の要請で実現した。三木谷氏と親交のあつかったルース前大使の紹介によるものとみられる。
ケネディ大使は約1時間、同社の施設を視察した後、三木谷社長と意見交換し、東北の被災地復興や規制緩和の必要性などで一致した。三木谷氏が楽天戦の始球式登板を要請するとケネディ大使は「ぜひ」と応じ、贈呈されたイーグルスのロゴ入りTシャツをその場で着てみせた。会談後、三木谷社長は「思いやりとオーラがある方だ」と語った。
同社長はベンチャービジネスを推進する新経済連盟の代表理事も務めており、ケネディ大使が日本の経済団体のトップと単独会談したのも初めて。三木谷氏は「われわれが選んだわけではないので。日本の大手企業も大切だとは思うが、米政府はベンチャーもとても大切だと考えている」と自負心をのぞかせた。