【成長ニッポン】
日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、日本企業の2社に1社は成長市場を求めて海外に拠点をもつようになった。なかでも経済発展が見込めるアジアは魅力で、拠点としての重要度はますます高まっているが、成功の鍵を握るのが現地人材の活用。慣習や価値観が日本と異なる中、いかに優秀な人材を集め、働く意欲を高めるかに進出企業は知恵を絞っている。
慣習、価値観に配慮
「日本式を押しつけるのではなく、現場のアイデアを積極的に採用するのが一番、意欲につながる」。半導体や宇宙開発用超精密機器のトップメーカー、フジキン(大阪市北区)の野島新也社長はこう指摘する。
同社がベトナムに工場を設立して10年がたつ。約500人の現地社員が超精密技術を支えているが、そのための生産効率化や品質向上の改善策は社員が提案。採用されると1カ月分の給与に相当するボーナスが出る。