日本企業が、アジアの証券取引所での上場に魅力を感じている。中古車販売のオートサーバー(東京都中央区)は来月、日本企業で初めて台湾証券取引所に上場する。香港やシンガポールの証券取引所にはすでに複数企業が上場している。アジアに上場するのは、現地での知名度向上や資金調達先の多様化という狙いがある。
台湾証取が11日、東京都内で開いた日本企業向けの上場誘致セミナー。来日した台湾証取の李述徳会長は「台湾市場を通して中国やその先に広がるアジア市場に進出し、企業価値を高めてもらいたい」と呼びかけた。セミナー後、半導体メーカーなどの日本企業2社が上場準備に入っているとして、「日本企業の上場は増えていくと楽観的にみている」と強調した。
台湾証取は2008年に外国企業の上場を解禁し、日本企業の誘致に力を入れている。取引の約6割を個人が占め、上場は情報発信に適しているという。また、調達金額が数億円でも上場できるなど、上場にかかるコストが低いメリットもある。
オートサーバーは、中国本土で中古車のネットオークション事業を展開している。台湾では事業をしていないが、上場は中華圏での知名度向上につながると判断した。