やり玉はお門違い
リオ五輪に出るか出ないかで、ゴルフの松山とテニスの錦織の判断が分かれた。プロスポーツマンとして、それぞれが熟慮を重ねて出した結論を尊重したい。
懸念されるのは2020年東京五輪招致が決定してから、わが国に五輪至上主義の風潮が強まっていることである。国家的プロジェクトだから、協力するのは当たり前、水を差すような動きは排除されなければならない、との流れがある。もし、その立場で松山をやり玉に挙げるとしたら、お門違いである。
20年大会の追加種目に入り、喜びに沸く野球界だが、プロ野球のオーナー会議は五輪期間中に公式戦を中断する基本方針を決めた。議長を務めた阪神の坂井信也オーナーは「国家イベントとも言える五輪に全面的に、でき得る限りの協力をする」と述べた。
もちろん、大規模なペナントレースの中断は初めて。夏休み期間中で観客動員が見込める時期だが、坂井オーナーは「野球界にとっては稼ぎどきだが、(全面協力という)趣旨で検討していく」とも付け加えた。