五輪重量挙げ “練習の鬼”三宅宏実 逆境はねのけ「奇跡」の銅

2016.8.7 19:22

女子48キロ級スナッチの3回目で81キロに成功した三宅宏実=リオデジャネイロ(共同)
女子48キロ級スナッチの3回目で81キロに成功した三宅宏実=リオデジャネイロ(共同)【拡大】

  • 獲得した銅メダルを手に表彰台で笑顔を見せる三宅宏実=リオデジャネイロ(共同)
  • 重量挙げ女子48キロ級ジャークで107キロに成功し合計188キロで銅メダルが決まった三宅宏実=6日、リオ中央体育館(撮影・桐山弘太)
  • 重量挙げ女子48キロ級ジャークで107キロに成功し合計188キロで銅メダルが決まり喜ぶ三宅宏実=6日、リオ中央体育館(撮影・桐山弘太)

 失敗すれば敗退となるスナッチの3回目。重量挙げ女子48キロ級の三宅宏実は、父親の義行監督(70)ら家族が見守る中、尻をつく寸前で持ち直し、立ち上がった。

 前回ロンドン五輪(銀)にこそ届かなかったが、腰に不安を抱え、痛み止めを打つ満身創痍(そうい)での銅メダル。「あれは奇跡。みんなが手伝ってくれた気がする」。そう話す三宅に、練習をともにしてきた後輩も「信じていた」と喜んだ。

 三宅のトレーニング量は人一倍。「他の人が5つのメニューをやれば、7つはやる」。同じいちごウエイトリフティング部の水落穂南(ほなみ)(23)はそう話す。ロンドン五輪に出場した水落ですら、三宅の練習量には驚かされるという。

 そんな“練習の鬼”の身体から悲鳴が上がる。腰の痛みで「直前に本格的な練習はできていないはず」(水落)。三宅自身、リオ出発前には家族に「こんなに不安を抱える試合は初めて」と漏らしていた。

 逆境をはねのけての銅に、三宅は「今回が一番うれしい」。水落も「ハラハラして見ていたが、やってくれると信じていた。結果を残すのは本当にすごい」と手放しでたたえた。(木下慧人)

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