また、「株取引は自己責任だが、今回の損は不適切会計の影響だ」と、株価下落の責任を問う声も出た。15年3月期の期末配当を無配とする配当政策にも質問が出たが、田中社長は「一刻も早く復配できるようにしたい」と述べるにとどめた。
一方、東芝は弁護士らから成る第三者委員会が調査中の会計処理についても、図を使って説明。テレビ事業では、請求が遅れた販促費を経費に計上せずに先送りした可能性があるとした。半導体事業に関する在庫評価では、想定に基づいて期初に設定した「標準原価」を改定せず、利益の過大計上につながった懸念があるとした。パソコンでは、製造を委託している海外の会社に仕入れ額より高い値段で部品を販売したが、完成品に組み込まれて戻ってきている可能性を指摘。調査中とはしているが、いずれも具体的な案件が対象となっており、それぞれの分野で不適切な会計処理が行われていた可能性が強まっている。
また、既に512億円の営業利益の減額修正が見込まれているインフラ工事の「工事進行基準」に関する会計処理については「実現可能性の低いコスト削減策が盛り込まれているなどの理由から不適切な見積もりになった」などとした。
総会の時間は同社では過去最長の3時間16分。会社側が提案した役員の暫定的な再任議案は原案通り可決された。