■【漂流 シャープ危機再燃】(上)99%以上減資、ライバル驚愕
シャープの経営再建が仕切り直しとなった。再度の危機の原因を分析し、今後の行方を追う。
「あのシャープが中小企業なんて…」
9日、シャープが約1200億円の資本金を1億円に減らすことを検討していると日本経済新聞が報じ、衝撃ニュースとして駆け巡ったことに、パナソニック幹部は言葉を失った。
99%以上の減資は取り崩した資本金で累積した損失の穴埋めに充てる奇策だ。連結売上高3兆円、従業員5万人規模の企業が法人税法上の中小企業となり、各種の税負担を軽くする思惑が透けてみえた。
週明け11日午前の東京株式市場はシャープの株価が一時ストップ安まで急落。宮沢洋一経済産業相は12日の閣議後会見で「違和感がある」と発言するに至り、さすがに断念。それでも累積損失の解消のため資本金を5億円に減らすことに変わりはなく、再建策は最後まで迷走した。