社外取締役を増員
「創業以来、最大の危機だ」
総会は問題が発覚してから初めて、経営陣と株主が直接対話する機会となり、田中社長は質問に対して、こう述べた。1875年創業の名門企業の苦境が、改めて印象づけられた。
冒頭、田中社長は問題の調査のため2015年3月期決算を発表できなくなり、業績予想を未定としたこと、3月末時点の株主への配当を無配としたことについて「心から深くおわび申し上げる」と陳謝した。
また、再発防止策としては、社外取締役の増員だけでなく、工事の原価総額を、複数の部門による評価チームで管理することなどを検討していると説明した。
しかし、株主の怒りは収まらない。東芝のOBという男性株主からは「最大の原因はカンパニーのトップによる利益追求主義。株価も同業他社と比較してさえない。役員は全員交代だ」と訴えた。他の株主は「社外取締役や監査法人がチェックできなかった。信任を置くのはおかしい。社長、会長はもう退任するしかない」と、多くの関係者に責任があると主張した。一方で、「東芝の社長は任期が短い。立て直すまで(田中社長が)居座るべきだ」との意見もあった。