パナとシャープ、明暗の分かれ目は…リストラ、投資決断、何より社長の経営能力 (1/5ページ)

2015.6.21 17:04

シャープの高橋興三社長(右)とパナソニックの津賀一宏社長

シャープの高橋興三社長(右)とパナソニックの津賀一宏社長【拡大】

 経営再建が頓挫し危機が再燃したシャープ。リーマン・ショック後の円高時代にはパナソニックも同じく巨額赤字を計上したが、プラズマテレビ撤退などの構造改革を進め、「脱家電」によるBtoB(企業間取引)シフトで業績の“V字回復”を成し遂げた。関西の家電業界をリードしてきた両社はなぜ明暗が分かれたのか。そこには主力事業のリストラ判断、将来性への投資、経営者のタイプなどの違いが浮き彫りになってくる。(藤原直樹)

 液晶皮肉な結果に

 「液晶をとるとシャープではなくなる。経営が成り立たなくなり、新中期経営計画の達成も不可能だ」

 5月14日、都内で新中期経営計画を発表したシャープの高橋興三社長は何度もこう強調し、主力の液晶事業の分社化による切り離しや売却を否定した。

 シャープが再び危機に沈んだ発端は、スマートフォン向け中小型液晶が昨秋から中国市場で急激に販売が減ったことだ。液晶パネルは継続的な大規模投資が必要になる一方で、需要変動の影響を受けやすいため浮き沈みが激しい。

 新たに計2千億円を資本支援する主要取引銀行のみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行は、液晶事業の売却を視野に入れた分社化を求めたが、高橋社長が拒否。最後まで液晶にこだわる姿勢を貫いた。

いち早く構造改革に動いたのがパナソニックだ

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。