家電メーカー各社が、機能やデザインにさまざまな工夫を凝らしたユニークな製品の開発にしのぎを削っている。自宅の食卓で本格的な焼きたてパンの味を目指したトースターや、外出時に服についた汚れを落とせる携帯式の超小型洗濯機、室内で片付けなくてもインテリアと調和する掃除機など、斬新なアイデアで消費者にアピールし、新たな需要を掘り起こす狙いだ。
2重構造の羽根を持つ扇風機「グリーンファン」をはじめ、空気清浄機や加湿器などで機能性とデザイン性の高いヒット商品を連発している家電ベンチャー、バルミューダ(東京都武蔵野市)。6月中旬から、窯から出したばかりの焼きたてのパンの香りと味を食卓で楽しめるトースター(税抜き2万2900円)の出荷を開始する。
パンの表面をサクッと焼き上げ、中はやわらかい状態にするためのスチーム技術や温度制御機能を搭載。トースト、チーズトースト、フランスパン、クロワッサンといったパンの種類に応じて調理ができる。自身がパン好きの寺尾玄社長は「消費者にとって、数値で計れるものより大事なのは感覚。五感で楽しめる食の分野で新製品を出していきたい」と意気込む。