2015.5.2 17:10
再び経営危機に陥ったシャープの高橋興三社長の社内向けの言葉が明らかに変わった。「銀行支援がないと立ち行かない会社にはなっていない」「まだまだ大丈夫」。「環境は急激に悪化」「薄氷といえる状況」と危機感の共有を訴えた半年前とは対照的だ。不安の払拭が狙いなのは明らかだが、主力取引銀行と大筋合意した主力の液晶事業の分社化や希望退職、本社ビルの売却などへの言及が十分でないため、社内に響いていない。協議中の内容が多いため明確なメッセージを出せないもどかしさがのぞく。(松岡達郎)
報道に惑わされないように…
「あくまでシャープは自分たちの足で立って、自分たちの力でやっていく」
3月20日夕、シャープ社内の音声放送で高橋社長の緊急メッセージが流れた。
その前日、シャープが27年度中に3千人規模の希望退職を募る方針を伝えるニュースが駆け巡っていた。
メッセージでは「報道にあまり惑わされないようお願いしたい」と訴えるとともに「銀行支援みたいな話がでてくるが、人(銀行)に頼るのではないということを確認しあいたい」と強調した。