日立製作所は24日、国内最大級の洋上向け風力発電システムの1号機が完成し、報道陣に公開した。吹き上げてくる風などを効率良く受け止め発電につなげる「ダウンウィンド型」を採用したほか、システム全体の軽量、コンパクト化を図ることで、洋上に建設する場合の基礎工事などのコスト負担を軽減できるのが特徴。
現在、風力発電の主力は、出力2000キロワット級だが、今回は、出力5000キロワット級で、1基で1万2000世帯分の電力をまかなえるという。
1号機は、茨城県神栖市沿岸の陸上に建設し、今夏から日立などが出資した発電事業会社の日立ウィンドパワーが「鹿島港深芝風力発電所」として商用運転を開始し、東京電力に売電する予定。ただ、「洋上風力発電の国内での計画案件が増えている」(高本学・新エネルギーソリューション統括本部長)ことから、日立としては、洋上向けで早期の受注を図りたい考え。
風力発電施設を洋上に設置する場合、1基あたりの出力が大きい方が、出力の低いものを何基も設置するより建設や運用コストが抑えられるなどメリットがあることから、大出力タイプの開発が国内外で進んでいる。