このため「この期に及んでも危機意識の薄いふわふわした幹部や社員がいる」(関係者)という。
「買い手がつく資産はほとんど売った」(関係者)といわれるなか、乾いた雑巾から水をさらに絞り出すのは簡単なことではない。今のところ高橋社長は「希望退職は考えていない」「投資や収益の比率が液晶に偏りすぎる“液晶一本足打法”が経営危機を招いたことは間違いなく、複数の足(事業)を持つことは必要だ」と述べ、人員削減や事業売却に否定的な姿勢を示している。
ただ、現行の中期経営計画が頓挫したいま、主力取引銀行に金融支援の継続を納得させるには、さらに踏み込んだ構造改革が求められる。
テレビ事業の分社化、白物や複写機事業の売却、太陽電池事業の見直し、追加の希望退職…。
想定を超えた環境変化に後手に回ったつけは、想定以上の痛みを伴う改革を強いることになりかねない。